ストップ狩りの原因?【約定価格とスプレッド】
トレード中、逆指値(ストップ)に届いていないのに損切決済になった、という経験をしたことはないでしょうか?
このようなことが起こるとストップ狩りされたと思ってしまうのも無理はありません。
確かに儲けすぎると約定しずらくなる(VDP)、などということが起こる海外FX会社もあります。
しかし、一見ストップ狩りに見えるこの挙動は意図的なものではなく、MT4/MT5に表示されている買値・売値の差(スプレッド)が原因であることもあります。
本投稿では約定価格とスプレッドの関係について解説します。
MT4/MT5に表示されている価格は買値か売値か
上図はXMのMT5のチャートです。
デフォルトでは売値が表示されていることがわかります。
ローソク足も売値をもとに作成されています。
(※メタトレーダーの売値・買値の表示方法は本投稿下部に記載しています。)
下図は売値と買値をMT5で表示させた例です。
買値と売値に差(スプレッド)があることが分かります。
ローソク足が届いていないのに決済される理由
買った場合は決済時はポジションを売る、売った場合は決済時はポジションを買うということです。
- 買いポジションを持つ:買値で買って、売値で決済
- 売りポジションを持つ:売値で売って、買値で決済
売りポジションを持っている場合
逆指値=売りポジションを買い戻す価格
↓
買値が逆指値(ストップ)に届いたら決済
↓
ローソク足(売値価格で表示)は逆指値に届いていないが、買値が逆指値価格に届いたため損切される
実際の事例
- XMのスタンダード口座およびXMzero口座で同時刻にドル円売りポジション
- 同じ価格に逆指値注文
- スタンダード口座は広いスプレッド、XMzero口座は狭スプレッドタイプの口座
- 関連記事:XMスプレッド一覧
↓
- スタンダード口座が逆指値に掛かった時刻、XMzero口座はポジションを保有
- スタンダード口座は時間足の高値が逆指値価格に届いていないにも関わらずポジションが決済(下図参照)
- ローソク足は逆指値価格に届いていないが、その時の買値が逆指値に届いたため決済(下図参照)
スタンダード口座とXMzero口座でドル円の売りポジションを持ちましたがスタンダード口座が先に決済されました。
その後XMzero口座も逆指値に掛かりましたが、同通貨ペア、同時刻のポジション、同じ逆指値価格であったにも関わらずスタンダード口座は先に逆指値に掛かりました。(下図参照)
売りポジションを持った場合、決済時はポジションを買い戻すことになります。
表示されているローソク足が売値表示であったため、買値が逆指値価格に届いていたにも関わらずローソク足(売値で表示)は届いていません。
ゆえに、ローソク足が逆指値価格に届いていないのに決済されたように見えてしまっています。
繰り返しになりますが、メタトレーダーに表示されているローソク足や価格が、買値・売値どちらを示しているかは確認する必要があります。
スプレッドは狭いほうがいい
- スプレッドが狭いほうが直感的に逆指値を置くことができます。
- スプレッドが狭いECN方式の取引口座の利用がオススメです。
もちろん、スプレッドを意識して
- 逆指値をスプレッド分上に置く(売る場合)
- 逆指値をスプレッド分下に置く(買う場合)
ことも可能ですが、不便に感じる人もいるかと思います。
海外FX会社にはSTP方式の口座とECN方式の口座がありますが、ECN方式の取引口座は提示されるスプレッドが狭いです。(代わりに手数料が徴収されます。)
Tradeview、AXIORY、HotForex、GemForexのECN方式の口座は手数料も安く、提示スプレッドも狭いです。
※STP方式とECN方式について
STP方式とECN方式については以前に概要を記載した投稿があります。
引用文を以下に添付します。
NDD方式にはSTP(Straight Through Processing)方式とECN(Electronic Communication Network)方式の2種類の約定方式があり、
スタンダード口座とマイクロ口座ではSTP方式、XMzero口座ではECN方式です。
XMzero口座
XMzero口座が採用しているECN方式は、個人トレーダーやファンド、銀行等の売買注文が集積するECNという私設取引所に注文を通し買い注文と売り注文をマッチングさせます。
スプレッドが0、またはかなり狭いスプレッドが提示されます。
FX会社の取り分としてXMzero口座では10万通貨あたり10通貨の手数料がとられ、その手数料がFX会社の収益となります。これが、XMzero口座のみ取引手数料がある理由です。
(中略)
スタンダード口座、マイクロ口座
それに対してSTP方式を採用しているスタンダード口座とマイクロ口座ではXMのカバー先金融機関のレートにFX会社の取り分であるスプレッドを上乗せしてトレーダーに価格を提示します。トレーダーからの注文はカバー先金融機関に直接注文を通し約定させます。
スプレッドは安定しているほうが良い
海外FX会社が価格を操作しているという事ではなく、利用している海外FX会社のスプレッドの安定性(特に経済指標時など価格変動が大きいとき)に依存します。
以前に経済指標発表時のスプレッドを測定した投稿があります。
結果の概要は以下の通りです。
- HotForex、TitanFXは安定性高く、次にTradeview・AXIORY・XM・TTCM
- 特にHotForexはスプレッドの拡大が少ない
- LandFXはやや広がる傾向
- GemForex、is6comは固定スプレッドなので指標時も固定されたスプレッドを提示するが、ごくまれに大きく拡大することがあるとの評判あり
- 主要通貨ペアはスプレッドの拡大が少ない傾向
- マイナー通貨ペアはどの海外FX会社でもスプレッドは拡大する傾向
経済指標発表時のスプレッドの測定結果は以下の投稿から。
「経済指標のスプレッド」の項目参照。
MT4やMT5に買値、売値を表示させる方法
PC版のメタトレーダーに買値・売値を表示
ツールバーの「チャート」をクリックし、「プロパティ」をクリックします。
もしくは「チャート上で右クリック」し、「プロパティ」をクリックします。
- MT4:「Askのラインを表示」にチェックを入れます。買値がチャートに表示されます。
- MT5:「買いラインを表示」「売りラインを表示」にチェックを入れます。チェックを入れた価格がチャートに表示されます。
スマホのメタトレーダーに買値・売値を表示
「設定」をタップし、「ASKライン」にチェックを入れます。
上図のチャートように買値も表示されます。
まとめ
本投稿では約定価格とスプレッドの関係について解説しました。
逆指値を置いてトレードする場合、スプレッドが広い海外FX会社や通貨ペアでトレードすると意図しない箇所で決済されてしまうことがあります。
- チャートが買値・売値、どちらで表示されているかを把握し、買った場合は売値で決済・売った場合は買値で決済されるということを覚えておく必要があります。
- 主要通貨ペアのほうがスプレッドが狭く安定性も高いです。
- また、ECN方式の口座のほうがスプレッドは狭いので「主要通貨ペア・ECN方式の口座」の組み合わせは乖離した価格での決済を起こりにくく出来ます。
口座タイプ比較・スプレッド比較に関しては以下の投稿もご参照ください。
評判・口コミの良い海外FXをお探しなら、以下の投稿をご参考ください。
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